【令和】モーレツ社員と令和の時代。
昔、上司から言われたこと言葉がありまして。
「僕らの仕事はお客様が最優先。何があろうが自分の事情は関係ない。お客様に尽くすことが我々の存在意義であって、ひいては自分の存在価値になる」
という旨の言葉。
他人の事情や価値観を否定はしないのだけれど、個人的な意見を述べるのであれば「令和の時代においては危険な思考」と思うので記事にしてみるよ。
会社のために生きていますか?
前述の言葉を残した上司はいわゆる「モーレツ社員」というやつだった。
家庭よりも仕事。
「残業代を申請した事がない」とか「給料の出ない休日出勤をずっとしている」という事を胸を張って言うタイプの人間だった。
確かに、その上司は超スピード出世だったし、仕事も出来た。
おそらくは「自分は短期間で上り詰め、成果もたくさん出している」という自己肯定感の下に「モーレツな働き方」を承認していたのだと思う。
まさしく「会社のために生きている」タイプの人間だった。
でも、個人的に「会社のためにモーレツに生きる生き方」とやらは人によってメリットデメリットが大きく異なると思う。
少なくとも「誰かに強いる生き方」ではないのだとも感じた。
事実として、そんなモーレツな働き方を承認する会社には過去に労基も入ったし「やり方に着いて行けない」と退職する社員が続出した「その後」もあったりした。
「誰のために」を履き違えると搾取になる。
仕事を去って行った人を見ると必ずしも「仕事が出来ない人」という訳でもなかった。
きちんと業務上の戦力にもなっていたし、会社の期待に対して十分だったかは知らないけれど成果も出していた。
ただ、家庭環境は労働状況のせいで悪化したし、自分の体調や精神面を保つ事も出来ていなかった。
「いつか」訪れる見返りを享受する前に仕事を辞めざるを得なくなってしまったのだ。
確かに競合他社がいて現場でも鍔迫り合いが続く仕事では「お客様第一」が武器になる。
しかし、お客様第一は会社の都合であって自分の事を蔑ろにすると「今、この時」を後の資産にならない業務に奪われて貴重な人生を浪費してしまう様にも感じた。
「自分は耐え抜けるし、後で元が取れる」という自信がない人にはモーレツな働き方は「今という人生の時間」を搾取されてしまうだけの働き方なんだと私は思う。
そして、令和の時代は変化の時代。
自社だけでなく他社も変化する時代。
だからこそ「とりあえず、会社やお客様のために働く」という選択は自分の人生を搾取されかねない選択になるんだとも思う。
自分のために何をすべき?
転職経験者としては「仕事で市場価値が上げる」という論法を否定は出来ない。
一社めで頑張ったから今があるし、次の仕事も選考に残れている。
でも、役に立つ経験と同じくらい「役に立たない事」もあるんだよね。
例えば一過性のトラブルや対応に身も心もすり減らした時間とか。
再現性はないし、その経験自体は大した役に立つものでもない。
「お客様ファーストの仕事」では結構「自分にとっては時間の浪費」にしかならない仕事が発生する。
トラブルをうまく捌けるようになるより、業績を作り出す事で実績を残す方が余程自分のキャリアにはメリットになる。
仕事によって業務は全く違う。
だからこそ「会社のために働く事が自分の市場価値にプラスになる」というのがキツい働き方でも報われるための条件だと私は思うんだ。
例えば、今会社を出たとして。
例えば、今すぐに会社から外に出たとして。
「私はこの力で生きていける。次の仕事も取りにいける」と胸を張って言える人はどれくらいいるだろう?
自慢じゃないけど、私は社内表彰もかなり取ったし全国上位の実績も出した。
でも「これが私の武器です」と言えるものって積み重ねた時間に対してごく僅かだったんだ。
何故なら「外で使えない、その場だけの対応」にかなりの時間を使ってしまったから。
同じ時間で強みだけに注力していたらすごく強い武器になっていたはず、とも感じる。
「今、会社から外に出たらアピールポイントになる能力があるのか?」
という問いは「仕事をどれくらい漫然にやっているか?」という問いにもなる。
価値のない仕事に人生を捧げていたりしませんか?
逃げではなく、選び取ろう。
そんなこんなで現代日本でモーレツ社員をやるには「強かに自分のメリットのため」に働かなければいけないのだと思う。
漫然にモーレツに働くとどんどん搾取されかねないから。
だから積み重ねていくものも考えながら仕事をしていくのが「社畜」にならず「モーレツ社員」でいるための条件なんだろうな、と私は思うんだ。
得意なものを活かすための仕事選びは逃げではなく選択。
嫌なもの、苦手なものを克服するより戦略のもとに環境を選ぶ必要があるんじゃないかな、と思うんです。
現代社会においては。
あなたはどうでしょう?
この記事をここまで読んでくれたあなたはどんな働き方をしていますか?
一度、振り返ってみてもいいかもしれないよ?