【働き方改革】本来の論点は「労働環境の適正化」だという私見
都会の激務に疲弊して田舎移住をしました。
仕事柄、「顧客の仕事を楽にする」という論点での話を度々します。
すると「今って何か言えばパワハラになる」という話が5回に1回は出てきます。
個人的に感じた違和感の正体について掘り下げてみたいと思います。
「労働環境を整える」という事
働き方改革で連想される事はなんですか?
よくある話だと
- 残業削減
- パワハラ撲滅
- 仕事の効率化
- 福利厚生の拡充
- 人間関係の改善
あたりではないでしょうか?
実際に提案訪問するとよく出てくるキーワードです。
確かに労働環境の改善においては大切な事だと思います。
一方で「無条件で環境だけ緩くすればいい」かと言えば間違いだとも思います。
何故なら、基本的には「給料は労働の対価」だから。
やる気のない社員に合わせてプレッシャーを下げるだけの「なあなあな環境」を作るのは対価の関係を崩すものだと私は考えます。
極端な話で例えると「勤務態度や成績は関係なく、社員を養うよ」という方向性を出したとして効果は上がるでしょうか?
おそらく、モチベーションの低いぶら下がり社員が増えるだけだと思います。
そして、現代の働き方改革に取り組む企業の内、一定数は「効果測定」を蔑ろにして「なあなあな環境」を作る方向に施策を打っているようにも思います。
「働き方改革」とは労働環境の適正化を指す。
個人的な意見としては「働き方改革」とは「労働環境の適正化」を指す取り組みであるべきだと考えます。
会社が社員に効率化や生産性の向上を求めるのであれば、改善をするための環境を整備するべき。
また、労働者側も「環境の改善」を求めるのであれば要求に見合う努力を見せるべき、だと考えます。
発給激務でサービス残業まみれのブラック企業では会社側に問題がありますが。
給料の対価たる労働に意識の低い労働者が「不相応な」待遇を求めるのにも問題があります。
現実問題、どうなんだ。
で、実際の取り組みを見てみるとどうでしょう?
効率化や生産性の向上を求めながら、現場で改善のネックになっている要因の解決に対して投資をしない会社がいくらでもあります。
「社員に要求はすれど、環境は用意しない」
という状況。
結果、現場の労働者の納得感が下がり、モチベーションが低下する。
現場に起きた問題を叱咤激励で改善しようとするも、更なるモチベーションの低下を引き起こす、という負のループに入り込む。
一方では一律の残業削減によって本来やるべき業務を蔑ろにする社員も存在する。
これって働き方改革の意味があるのでしょうか?
会社は労働者に対して求める生産性を実現する必要があるし、労働者は会社が準備した待遇に見合う働き方をする必要があると思います。
要は「労働と待遇が釣り合う」様に環境と労働内容を最適化する取り組みこそが必要だと思うのです。
緩く、厳しくは使い分け。
結論、働く条件の厳しい、緩いは仕事内容に応じて使い分けるべきで「甘くすれば良い」わけではないんですよね。
高給激務な仕事があっても良い。
ただ、「成果に関係のない」とか「成果を妨げる」理不尽は是正しなければいけない。
営業で例えるなら「売上を上げろ」というのなら「売上を確保するための時間」等 リソースは確保されるべきだし「売上を上げる」ための思考時間は確保される環境であるべきです。
今、身の回りやニュースを見ると「環境を与えずに生産性向上を求める会社」と「成果や努力を鑑みずに対価を望む労働者」によって働き方改革は上手く進んでいない、と感じてなりません。
そして、違和感になっているのだと。
終わりに
今回は賛否両論あろうと思いますが個人の見解で書いてみました。
どうでしょう?
ここまで読んで頂けた方は何を感じますか?
ケースバイケースで最適解と言うのはなかなか難しいかもしれません。
ですが、私としてはこれだけ「働き方改革」が叫ばれる世の中では「最適化」の時点で進める会社と労働者が増えたらいいな、と感じます。